検索

いきなりクビは駄目!解雇条件の確認【社労士からのアドバイス付き】


勤務態度の悪い従業員に手を焼く田辺工場長。困り果てて社長に相談する。


社   長	: 	昨日、田辺工場長から木村くんを配置換えするか、それができならならクビにしてほしいと直訴してきたんだが、そんなに彼はひどいのか? 総務部長	: 	実は、入社1ヶ月を過ぎた頃から、二日酔いでの出勤や仕事中の居眠りなどが目につくようになったらしく、その都度注意をしてきたようですが、まったくなおらないそうです。おまけに、先週は不良品の山をだしたんですが、単純ミスというよりも作業の手抜きだったそうです。さすがの工場長も堪忍袋の緒が切れたんでしょうね。 社   長	: 	わたしに対しては、毎日の挨拶もきちんとしてくるし、先日はお歳暮まで届けてきたくらいだし、とても信じられない気がするよ。 総務部長	: 	木村はお歳暮まで送ってるんですか?驚きましたよ。しかし、社長、お歳暮くらいで騙されちゃいけません。あのまま彼を置いておいては、他の従業員へも悪影響です。 社   長	: 	そうはいうが、確か木村くんは君が面接したんだろう?いい人材が見つかったなんて話してたじゃないか。 総務部長	: 	面目ございません。私の見る目がございませんでした。 社   長	: 	解雇するにしても、トラブルにならないようにしてくれよ。
従業員をクビにするための条件


1.従業員に会社を辞めてもうら方法

 

従業員に会社を辞めてもらう際は、「解雇」と「退職勧奨」の2つの方法があります。


「解雇」とは、経営者が従業員に対して、一方的に労働契約の解除を言い渡すこと、つまり、「クビ」のことをいいます。次に、「退職勧奨」とは、経営者から従業員に退職をお願いし、それに従業員が合意の上で退職届を提出して辞めることをいいます。


従業員が会社を辞める際は、話合いによる退職(退職勧奨)が一番望ましいですが、実際には「解雇」せざるを得ないケースが少なくないです。そこで、この記事では解雇の条件を確認していきます。



2.解雇予告と解雇予告手当

 

解雇を行うときには、解雇しようとする従業員に対し、30日前までに解雇の予告をする必要があります。解雇予告は口頭でも有効ですが、口約束では後々にトラブルの原因となるので、解雇する日と具体的理由を明記した「解雇通知書」を作成することが望ましいです。


また、従業員から作成を求められた場合は、解雇理由を記載した書面を作成して本人に渡さなければなりません。


一方、予告を行わずに解雇する場合は、最低30日分の平均賃金を支払う必要があり、これを「解雇予告手当」いいます。※1


ただし、以下の期間は解雇を行うことができません。


・労災休業期間とその後30日間

・産前産後休業期間とその後30日間


なお、解雇しようとする日までに30日以上の余裕がないときは、解雇予告をしたうえで、30日に不足する日数分の解雇予告手当を支払えば良いです。


例えば、9月10日に「9月30日付で解雇をする」と予告をした場合、解雇日までは20日分しかないので、残り10日分の解雇予告手当を支払うことになります。


次に、解雇予告手当の支払時期ですが、即時解雇の場合解雇と同時に支払い、解雇予告と解雇予告手当を使用する場合は、遅くとも解雇の日までに支払うことが必要です。


※1:平均賃金は次のA、Bを比較して高い方をとります。賃金締切日がある場合は直前の締切日から計算します。

A.過去3ヵ月間の賃金÷その間の歴日数

B.過去3ヶ月間の賃金÷その間の労働日数×0.6



3.解雇予告が不要な場合

 

「従業員の責に帰すべき理由による解雇の場合」や「天災地変等により事業の継続が不可能となった場合」には、解雇予告や解雇予告手当の支払いをせずに即時に解雇することができます。


ただし、解雇を行う前に労働基準監督署長の認定(解雇予告除外認定)を受けなければなりません。


なお、懲戒解雇だからといって解雇予告除外認定が受けられるとは限らず、その場合は解雇予告手当を支払う必要があります。懲戒解雇が有効か否かは、最終的には裁判所での判断によります。


また、次にあげる①~④のケースでは、解雇予告そのものが適用されませんが、所定の日数を超えて引き続き働くことになった場合は、解雇予告の対象となるので注意したいです。


①試用期間中の者・・・14日間

②4か月以内の季節労働者・・・契約期間

③契約期間2カ月以内の者・・・契約期間

④日雇労働者・・・1ヶ月



4.解雇事由の明示と解雇の無効

 

解雇をする際は、解雇予告制度さえ守れば自由にできるわけではなく、就業規則と労働契約書(労働条件通知書)に、解雇事由を明示し、かつ、その要件に合致することが必要です。


また、就業規則や労働契約書に明示しているとしても、「解雇権の濫用※2」による解雇は無効となります。したがって、「営業成績が上がらない」「仕事上のミスが多い」「服装や髪形がだらしない」といった理由だけで解雇することはできません。


※2:解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を乱用したものとして、無効となります。



5.解雇が認められるためのポイント

 

解雇を有効なものとするためには、次の3点が厳しくチェックされるので、トラブルがおきたら「5W1H」でどのような問題行動があったのか、第三者が見ても分かる客観的表現である必要があります。当然、その際の本人の反応も重要です。


事実を克明にメモするとともに、教育・指導の記録(指導書、警告書など)を必ず残すことが重要です。改善可能性がみられる限り、能力不足を理由とする解雇は認められません。

十分な指導がなされたかどうかが問題になるのも「十分な指導もないうちに改善可能性がないとはいえないだろう。」という判断があるからです。


解雇が厳しく規制されている以上、こうした事実を積み重ねてはじめて解雇は認められるものと考えてほしいです。


ポイント

①十分な教育指導を行った(日付、回数など重要)

②他の社員と比べて能力がきわめて低い(客観的な数値が重要)

③勤務態度の更生や能力向上の見込みがない



6.解雇予告の前に社労士に相談が必要!

 

しかしながらこのように正しく解雇予告をしていたとしても、正当な理由がないのに解雇したり、就業規則に定められている手続きをとらずに解雇した場合は、不当解雇として会社が訴えられ、1000万円を超える支払いを命じられることもまれではありません


解雇については、企業経営の中でも重要なリスクのある場面の1つですので事前に必ずにご相談いただくことをおすすめします。


社労士にご相談いただくことにより、解雇について正当な理由があるか、正しい手続きが取られているか、不当解雇と判断されるリスクがないかなどをチェックすることができます。


また、場合によっては、解雇の前に解雇理由を立証するための必要な証拠資料を集めておくことが可能になります。解雇後に従業員から訴えられるリスクを想定して、事前に解雇理由を立証する証拠を集めておくことは、会社を守るために非常に重要です。



まとめ

 

解雇の際は、解雇予告制度にのっとり、30日前までの予告か最低30日分の平均賃金を支払う必要があります。(組合せも可能)


解雇事由は就業規則等に明示してなければならないですし、「ミスが多い」「営業成績が悪い」といっただけの理由による解雇は、解雇権の濫用とされ無効となります。


解雇を有効にするには、トラブル等の事実を克明にメモするとともに、教育・指導(指導書、警告書など)の記録を積み重ねていくことが大切です。




解雇について、弁護士保険付き就業規則「パトローラー」にはこんなサポートがあります!

 

(1)問題社員の解雇、退職勧奨のご相談

弁護士保険付き就業規則「パトローラー」では、問題社員についての解雇や退職勧奨の事前のご相談を企業から常時お受けしています。


具体的には以下のような項目について、各企業からご相談をいただいています。


●解雇前の証拠収集に関するご相談

●解雇した場合のリスクの程度に関するご相談

●解雇や退職勧奨の具体的な方法に関するご相談

●解雇や退職勧奨の具体的な注意点のご相談

●懲戒解雇か普通解雇かの選択に関するご相談

●即日解雇か予告解雇かの選択に関するご相談

●解雇後の手続きに関するご相談

●解雇予告除外認定申請手続きあるいはその申請代行のご相談


事前に自社でよく検討しているつもりでも、思わぬところに落とし穴があることが常ですので、必ず解雇前にご相談いただくことをおすすめします。


(2)無用な解雇トラブルを未然に防ぐ就業規則を作成できる

解雇の運用を視野にいれる場合は,最低限,就業規則を作成しておく必要があるでしょう。「解雇の事由」をなるべく明確化しているほうが,解雇の有効性を主張するうえで有利に働くことは間違いないからです。


弁護士保険付き就業規則パトローラーでは、企業の労務管理に精通した社労士が就業規則作成のご相談に対応します。最近の裁判例の分析や過去の裁判対応の経験、最新の法改正の内容を踏まえたオリジナルの就業規則のひな形を準備しています。


それをベースに会社独自の点について、社労士からヒアリングを行い、自社にマッチした就業規則に仕上げていくことが可能です。


現在、就業規則が十分に整備されておらず、お困りの企業様はぜひご相談ください。


(3)労務トラブルの際に弁護士にも無料相談をすることができる


万が一トラブルが起きてしまった場合は、弁護士に無料で相談することができます(30分間)また、弁護士への委任する場合に生じる、着手金や手数料を保険によって30万円まで補償することができます。


解雇、退職勧奨について検討中の方は、自己流の対応をする前に、弁護士保険付き就業規則パトローラーにご相談ください。


弁護士保険付き就業規則「パトローラー」に相談する方法


下記ボタンからお気軽にご相談ください。






閲覧数:12回0件のコメント