top of page
検索

入社後すぐに休職?休職規定に注意!【社労士からのアドバイス付】


入社して間もない社員が休職の申請?粟生田社長はどうしても納得できない。

社   長	: 	佐々木は先月入社したばかりの社員だろ?1か月もしないうちに休職だなんて認められるわけがないだろう! 総務部長	: 	はい、確かにわたしも社長と同じ気持ちです。ですが、うちの就業規則では、そのように規定されていたんです。 社   長	: 	何だって?ましてや彼は試用期間中の身じゃないか?休職どころか解雇したっていいんじゃないのか! 総務部長	: 	最初は私もそう思ったんですが、念のために労働基準監督署に確認したところ、就業規則で規定されているのであれば、その通りにしなければならないと言われてしまいまして・・・。 社   長	: 	うちの就業規則はどうなってるんだ!? 総務部長	: 	はい、勤続3年未満は6ヶ月、勤続3年以上なら1年となっていまして、休職期間中の給与は支給しないことになってはいます。 社   長	: 	試用期間中の者も対象なのか? 総務部長	: 	労働基準監督署に就業規則を見せて確認したところ、除外条項がない以上、入社直後の従業員も対象になるから解雇できないと言われてしまいました。 社   長	: 	わかっているだろうな、早急に就業規則を見直すように!
休職トラブルの事例



1.休職規定について

 

多くの会社では、就業規則の中で休職について規定しているが、そもそも労働基準法は、休職を義務付けているわけではありません。

したがって、休職制度を導入するかどうか、また導入する場合の内容等は、会社が自由に決めることができます。

最近は、精神疾患(うつ病等)の発生割合が急増していることもあり、規定の内容次第では思わぬ労務トラブルが生じることがあります。

もし、役所や大企業のひな形をもとに、就業規則を作成しているのだとしたら、特に注意しなければなりません。内容をチェックし、不適切な部分をすぐに見直しすることを勧めたいです。

厚生労働省が「モデル就業規則」として事業主に提供している休職規定の見本をもとに、休職規定の注意点を確認してみましょう。


平成25年3月に厚生労働省労働基準局監督課がだした「モデル就業規則」の休職の条文より

(休職)

第○条 労働者が、次のいずれかに該当するときは、所定の期間休職とする。

①業務外の傷病による欠勤が__か月を超え、なお療養を継続する必要があるため勤務できないとき__年以内

②前号のほか、特別な事情があり休職させることが適当と認められるとき  必要な期間

(以下省略)



2.休職規定のチェックポイント

 

(1)休職を実施するかどうかの権利が会社側にあることがわかるように作成します。


さきほどのモデル例では、「次のいずれかに該当するときは、所定の期間休職とする」となっていますが、この記載では、従業員がいずれかに該当した瞬間に休職できることとなり、休職の権利が従業員にあることになってしまいます。これでは、会社は休職を拒否することができません。そもそもケガや病気で長期間働けない従業員は、状況にもよるが、普通解雇に該当するはずで、あえて休職制度で雇用を維持する必要はありません。正しくは、「次のいずれかに該当するときは、休職を命じることがある」とし、休職の実施判断をあくまで会社側の権利としておくことが重要です。


(2)欠勤日数と欠勤の連続性を休職要件にせず、会社の判断により、速やかに休職命令を発することができるようにします。


モデル例では、「業務外の傷病による欠勤が  か月を超え、・・・」と欠勤日数とその連続性を休職要件にしていますが、うつ病など精神疾患の場合は身体的疾病と異なり、必ずしも連続して欠勤するとは限りません。また、一定の欠勤期間を待たなくても、明らかに通常の労務の提供が不完全か困難であるという事態が想定できます。

こうした事態に対応するためにも、「精神または身体上の疾患により通常の労務提供ができず、その回復に一定の期間を要するとき」としておくことが重要になります。

会社の判断により、速やかに休職命令を発することができることで、業務による症状の悪化を防止するだけでなく、不完全な労務提供に対して無駄な人件費を支払うリスクも回避できます。


(3)休職期間は、自社で可能な長さを設定する。また、勤続年数による期間の長短を設けたほうが望ましいです。

モデル例では、一律「  年以内」としているが、中小企業では、役所や大企業のような長期の休職期間を設ける余裕はありません。自社にとって許容可能な期間を検討し、貢献度に応じて設定すべきです。貢献度に応じてということであれば、勤続1年未満の従業員を休職制度から除外するのも当然といえます。


(4)復職を認めるかどうかの権利が会社側にあることがわかるように作成します。


モデル例では、「原則として元の職務に復帰させる」とあるが、これでは復職させるのが当然と解釈でき、会社側に復職許可の権利が十分にあるとはいえません。正しくは、「休職中の従業員が復職を希望する場合には、所定の手続きにより会社に願い出なければならない」とし、できるだけ復職のハードルを上げておくことが必要です。

うつ病など精神疾患のケースは特に質が悪いので、休職期間満了とともに当然に退職してもらう流れを規定化し、解雇トラブルにならないようにしておくことが重要です。



まとめ

 

労働基準法では休職を義務付けているわけではないので、休職要件や休職期間等、会社が自由に定めることができます。

休職規定では、休職の実施や復職の可否を決める権利が会社側にあるように作成することが重要です。

休職中の社会保険料の取扱いを明確に定めておかないと、従業員負担分を徴収することができなくなる可能性があるので注意しましょう。



就業規則の休職項目について、弁護士保険付き就業規則「パトローラー」には「こんなサポートがあります!

 

(1) 弁護士保険付き就業規則「パトローラー」は、従業員の休職に関するご相談やトラブル対応についてのサポートをしております。


この記事でもご説明した通り、休職中の従業員を退職扱いあるいは解雇する場面で、企業としての対応を誤ると、労務トラブルにつながることがあります。退職扱いあるいは解雇する前の段階でご相談いただくことがトラブル防止のための重要なポイントです。

「復職を認めるかどうかの判断」や、「復職の手順」についてお困りの企業様も、お早めにご相談ください。

また、すでにトラブルになってしまっているケースでは、弁護士保険を使って弁護士が窓口となって従業員との交渉にあたり、トラブルを早期に解決します。


(2)従業員の休職に関する就業規則の整備に関するご相談


従業員の休職にまつわるトラブルを未然に防ぐためには、日ごろの就業規則の整備も重要なポイントです。

就業規則の整備に不安がある方は、弁護士保険付き就業規則パトローラーをご利用ください。労務に強い社労士が、実際にトラブルになったときにも通用する就業規則を整備します。


(3)労務トラブルの際に弁護士にも無料相談をすることができる


万が一トラブルが起きてしまった場合は、弁護士に無料で相談することができます(30分間)また、​弁護士への委任する場合に生じる、着手金や手数料を保険によって30万円まで補償することができます。


就業規則の休職について検討中の方は、自己流の対応をする前に、弁護士保険付き就業規則パトローラーにご相談ください。


社労士へ相談・弁護士保険付き就業規則「パトローラー」に相談する方法

下記ボタンからお気軽にご相談ください。





閲覧数:96回0件のコメント
bottom of page